3.20歳の男性。運動時に膝関節痛を訴える。実施した検査を図に示す。この検査はどれか。
- 外反ストレステスト
- 前方引き出しテスト
- 内反ストレステスト
- McMurrayテスト
- Lachmanテスト
解答解説
正解は4. McMurrayテストです。
解説
McMurrayテストは、半月板損傷の評価を目的とした徒手検査です。膝を曲げた状態から伸展させつつ、内旋または外旋を加えることで半月板をストレス下に置き、クリック音や痛みが生じる場合に半月板損傷を示唆します。図はこの検査のプロセスを示しています。
各選択肢の解説
- 外反ストレステスト(誤り)
- 外反ストレステストは、膝を軽度屈曲させた状態で外反ストレスを加える検査で、内側側副靱帯(MCL)の損傷を評価します。図とは異なります。
- 前方引き出しテスト(誤り)
- 前方引き出しテストは、膝を90度屈曲させた状態で脛骨を前方に引き出し、前十字靱帯(ACL)の損傷を評価する検査です。図のように膝の伸展動作を伴う検査ではありません。
- 内反ストレステスト(誤り)
- 内反ストレステストは、膝を軽度屈曲させた状態で内反ストレスを加え、外側側副靱帯(LCL)の損傷を評価する検査です。図とは異なります。
- McMurrayテスト(正解)
- 図の検査は、膝を最大屈曲した状態から伸展させつつ、内旋または外旋を加えて半月板に負荷をかけ、クリック音や痛みの有無を確認するMcMurrayテストです。内旋では外側半月板、外旋では内側半月板を評価します。
- Lachmanテスト(誤り)
- Lachmanテストは、膝を約20~30度屈曲させた状態で脛骨を前方に引き出し、前十字靱帯(ACL)の損傷を評価します。図のような屈曲・伸展動作を伴うものではありません。
McMurrayテストの特徴
- 目的:半月板損傷の評価。
- 方法:
- 膝を屈曲させ、内旋または外旋を加えながら伸展。
- クリック音や疼痛の有無を確認。
- 内旋:外側半月板、外旋:内側半月板を評価。
ワンポイントアドバイス
膝関節の検査は、評価対象(靱帯、半月板)に応じて適切なテストを選ぶことが重要です。McMurrayテストは半月板損傷の代表的な検査なので、手技や目的をしっかり覚えておきましょう。
4.この検査で陽性となった。疑うべき病態はどれか。
- 外側側副靱帯損傷
- 後十字靱帯損傷
- 前十字靱帯損傷
- 内側側副靱帯損傷
- 半月板損傷
解答解説
正解は5. 半月板損傷です。
解説
この検査(McMurrayテスト)は、膝関節の半月板損傷を評価するための徒手検査です。膝を屈曲した状態から伸展させつつ、内旋または外旋を加えることで半月板に負荷をかけ、クリック音や疼痛が出現すれば陽性と判定します。
各選択肢の解説
- 外側側副靱帯損傷(誤り)
- 外側側副靱帯損傷は、膝を軽度屈曲させた状態で内反ストレスを加える内反ストレステストで評価されます。McMurrayテストは側副靱帯損傷の検査ではありません。
- 後十字靱帯損傷(誤り)
- 後十字靱帯損傷は、脛骨を後方に押し込む後方引き出しテストやサグサイン(脛骨が後方に沈み込む)で評価されます。
- 前十字靱帯損傷(誤り)
- 前十字靱帯損傷は、前方引き出しテストやLachmanテストで評価されます。McMurrayテストは靱帯損傷の評価には適していません。
- 内側側副靱帯損傷(誤り)
- 内側側副靱帯損傷は、膝を軽度屈曲させた状態で外反ストレスを加える外反ストレステストで評価されます。
- 半月板損傷(正解)
- McMurrayテストでは、膝を屈曲した状態から伸展させながら内旋または外旋を加えることで半月板にストレスをかけます。クリック音や疼痛があれば陽性であり、半月板損傷を示唆します。内旋では外側半月板、外旋では内側半月板が評価対象です。
McMurrayテストの特徴
- 目的:半月板損傷の評価。
- 陽性所見:クリック音、疼痛の出現。
- 評価部位:
- 内旋:外側半月板。
- 外旋:内側半月板。
ワンポイントアドバイス
膝関節の障害を評価する際は、半月板損傷、靱帯損傷、それぞれに特化した徒手検査が存在します。特に半月板損傷の評価では、McMurrayテストが代表的な検査であることを覚えておきましょう。また、陽性所見として疼痛だけでなくクリック音が確認できる点も重要です。