脳血管障害に対して行われる検査で、誤っているのはどれか。
- 頸動脈狭窄の検索に頸部MRAが用いられる。
- 出血病変の検索にMRIのT2*(スター)強調像が用いられる。
- 陳旧性梗塞の検索にMRIの拡散強調像が用いられる。
- 脳塞栓の原因検索にHolter心電図が用いられる。
- 脳動脈瘤の検索に脳血管撮影が用いられる。
解答解説
正解は3. 陳旧性梗塞の検索にMRIの拡散強調像が用いられるです。
解説
脳血管障害の検査には、病態に応じて最適な方法が選択されます。特にMRIでは、撮像方法(拡散強調像、T2*強調像など)により異なる病変を評価できます。
各選択肢の解説
- 頸動脈狭窄の検索に頸部MRAが用いられる(正しい)
- 頸部MRA(磁気共鳴血管撮影)は、頸動脈狭窄や閉塞の評価に有用です。造影剤を用いない方法もあり、非侵襲的に評価できます。
- 出血病変の検索にMRIのT2*(スター)強調像が用いられる(正しい)
- T2*強調像は、出血や微小出血を検出するのに非常に敏感です。特に、慢性期や微小出血の評価に適しています。
- 陳旧性梗塞の検索にMRIの拡散強調像が用いられる(誤り)
- 拡散強調像(DWI)は急性期の脳梗塞の診断に有用です。一方、陳旧性梗塞の評価にはT1強調像やT2強調像が適しています。拡散強調像では、陳旧性病変は検出されにくいです。
- 脳塞栓の原因検索にHolter心電図が用いられる(正しい)
- Holter心電図は、不整脈(特に心房細動)を検出するために使用されます。心房細動は脳塞栓の主要な原因の一つであるため、原因検索に有用です。
- 脳動脈瘤の検索に脳血管撮影が用いられる(正しい)
- 脳血管撮影(DSA: Digital Subtraction Angiography)は、脳動脈瘤の診断において高い精度を持つ方法です。ただし、侵襲的な検査であるため必要性を慎重に評価します。
まとめ
- 拡散強調像(DWI):急性期脳梗塞の検出に有用。
- T2*強調像:出血性病変や微小出血の検出に有用。
- T1/T2強調像:陳旧性病変の評価に適している。
ワンポイントアドバイス
MRIの撮像方法と適応疾患を整理して覚えることが重要です。特に、急性期(拡散強調像)と陳旧性病変(T1/T2強調像)の使い分けを明確に理解しておきましょう。