開放式吸引での気管吸引で正しいのはどれか。
- 1回の吸引時間は30秒以上行う。
- 吸引圧は最大150mmHgである。
- 吸引カテーテルの先端は気管分岐部の先まで挿入する。
- 吸引操作中はSpO₂ 80〜90%を維持する。
- 吸引操作中は吸引カテーテルを上下前後に動かす。
解答解説
正解は2です。
気管吸引の際、吸引圧は成人で最大150mmHgを基準とします。これ以上の圧では気道粘膜を傷つける恐れがあり、適切な範囲で操作を行うことが重要です。他の選択肢は吸引操作の手順や注意点として不適切な内容を含んでいます。
選択肢の解説
- 1回の吸引時間は30秒以上行う。
誤りです。1回の吸引時間は10〜15秒以内に制限するのが基本です。長時間の吸引は酸素欠乏や気道粘膜損傷のリスクを高めます。 - 吸引圧は最大150mmHgである。
正解です。成人では吸引圧は80〜150mmHg、小児や新生児ではさらに低い圧が推奨されます。圧が高すぎると気道粘膜への損傷リスクが増加します。 - 吸引カテーテルの先端は気管分岐部の先まで挿入する。
誤りです。吸引カテーテルは気管分岐部の手前まで挿入するのが基本です。気管分岐部を越えて挿入すると、粘膜の損傷や異物反射を引き起こす可能性があります。 - 吸引操作中はSpO₂ 80〜90%を維持する。
誤りです。吸引操作中でもSpO₂は90%以上を維持する必要があります。吸引前後に酸素投与を行い、低酸素血症を防ぐことが重要です。 - 吸引操作中は吸引カテーテルを上下前後に動かす。
誤りです。吸引操作中はカテーテルを回転させながら引き抜くことが推奨されます。上下前後の動きは気道粘膜を傷つけるため、行ってはいけません。
ワンポイントアドバイス
気管吸引は患者の呼吸機能を確保する重要な手技ですが、適切な圧力、時間、挿入範囲を守ることが必須です。また、吸引前後に酸素投与を行い、患者のSpO₂モニタリングを徹底して低酸素状態を予防することが重要です。