虚血性心疾患に対する運動療法の効果について適切なのはどれか。
- 再入院頻度の低下
- 収縮期血圧の上昇
- 血小板凝集能の増加
- 交感神経の緊張亢進
- HDLコレステロールの低下
解答解説
正解は1です。
虚血性心疾患に対する運動療法は、心血管系のリハビリテーションの一環として重要であり、再入院頻度の低下や生命予後の改善が報告されています。適切な運動療法は血圧や脂質代謝、交感神経活動を改善し、心血管イベントの再発リスクを低減します。その他の選択肢は運動療法の効果と反する内容です。
選択肢の解説
- 再入院頻度の低下
正解です。運動療法により、心血管リスク因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)が改善され、虚血性心疾患による再入院頻度が低下します。また、患者の身体機能やQOL(生活の質)の向上も期待できます。 - 収縮期血圧の上昇
誤りです。運動療法は、適切な強度で行うことで血圧を低下させる効果があります。特に収縮期血圧は、長期的な運動習慣によって安静時に低下することが知られています。 - 血小板凝集能の増加
誤りです。運動療法は血液の流動性を改善し、血小板凝集能を抑制する効果があります。これにより血栓形成のリスクが低下し、心血管イベントの予防につながります。 - 交感神経の緊張亢進
誤りです。適切な運動療法は交感神経活動を抑制し、副交感神経優位の状態を促します。これにより、安静時心拍数や血圧の低下が見られます。 - HDLコレステロールの低下
誤りです。運動療法はHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させ、動脈硬化の予防効果を発揮します。一方、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪を減少させる効果も期待できます。
ワンポイントアドバイス
虚血性心疾患患者への運動療法の効果を覚える際は、「再発リスクの低下」「血圧や脂質代謝の改善」「自律神経のバランス調整」など、心血管系へのポジティブな影響を中心に整理しましょう。運動強度は心拍数やBorgスケールを用いて適切に調整することが重要です。