第54回理学療法士国家試験　午後問題31

関節リウマチにみられる変形と部位の組合せで適切なのはどれか。

1. スワンネック変形 ―― 環軸椎関節
2. ムチランス変形 ―― 脊柱
3. ボタン穴変形 ―― 手の母指
4. 内反小指変形 ―― 足部
5. Z変形 ―― 足の母指

解答解説

正解は4です。

関節リウマチでは多関節に炎症が及び、特有の変形が見られます。内反小指変形は足部の特徴的な変形で、足趾の関節炎や支持構造の変化によるものです。他の選択肢の部位は、変形の名称との組み合わせが適切ではありません。

選択肢の解説

1. スワンネック変形 ―― 環軸椎関節
   誤りです。スワンネック変形は手指に見られる変形で、PIP関節（近位指節間関節）が過伸展し、DIP関節（遠位指節間関節）が屈曲する状態です。環軸椎関節とは関係がありません。
2. ムチランス変形 ―― 脊柱
   誤りです。ムチランス変形は主に手指や足趾に見られる関節破壊が進行した状態を指します。脊柱の病変ではなく、関節末端が吸収され短縮する変形です。
3. ボタン穴変形 ―― 手の母指
   誤りです。ボタン穴変形は手指に見られる変形で、PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する状態です。母指ではなく、通常は他の指に現れます。
4. 内反小指変形 ―― 足部
   正解です。関節リウマチでは足部の変形が多く、内反小指変形は小趾が内側に曲がる典型的な変形です。歩行や足部の痛みに影響を及ぼします。
5. Z変形 ―― 足の母指
   誤りです。Z変形は手の母指に見られる変形で、MP関節が過伸展し、IP関節が屈曲する状態です。足の母趾とは関係がありません。

ワンポイントアドバイス

関節リウマチに特有の変形は、部位ごとに特徴的なパターンが見られます。手指のスワンネック変形やボタン穴変形、足部の内反小指変形や外反母趾が代表例です。それぞれの名称と部位の対応を正確に覚えておきましょう。