訓練開始時に熱感があり、体温は38.5℃であった。胸部を聴診したところ右下肺野に水泡音が聞かれた。この患者の胸部エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
- 喘息
- 大葉性肺炎
- 特発性肺線維症
- 慢性閉塞性肺疾患
- びまん性汎細気管支炎
解答解説
正解は2. 大葉性肺炎です。
解説
大葉性肺炎は肺の一部、特に一葉が炎症により浸潤する病態です。エックス線画像で、右下肺野における明らかな浸潤像が確認でき、聴診所見の水泡音や発熱(38.5℃)と一致します。これらの症状は典型的な大葉性肺炎の特徴です。
- 喘息
喘息では主に気道の可逆性閉塞と喘鳴が主体であり、発熱や肺の浸潤像は一般的ではありません。不適切です。 - 大葉性肺炎
特徴的な所見(右下肺野の浸潤像、発熱、水泡音)がすべて揃っており、最も適切です。 - 特発性肺線維症
慢性疾患であり、エックス線でびまん性の網状影や蜂巣肺が見られることが多いです。急性発熱や明確な浸潤像は一般的ではありません。 - 慢性閉塞性肺疾患
エックス線では肺の過膨張(横隔膜の平坦化)や肺野の透過性増加が見られますが、発熱や急性の右下肺野の浸潤像は不一致です。 - びまん性汎細気管支炎
慢性進行性の疾患で、エックス線では両側性の粒状影が特徴です。急性発熱や一葉の浸潤像は見られません。
ワンポイントアドバイス
大葉性肺炎では、発熱、咳嗽、膿性痰、呼吸困難に加えて、聴診で水泡音が確認されることが多いです。エックス線で一葉に限局した浸潤影を見つけることが診断の決め手となります。肺炎の種類や画像所見を関連づけて覚えましょう。