発育性股関節形成不全で正しいのはどれか。
- 開排は制限されない。
- 大腿骨頭の前方脱臼が多い。
- 二次的な変形性股関節症にはなりにくい。
- 7歳以上では外転位保持免荷装具を用いる。
- 乳児期ではリーメンビューゲル装具を用いる。
解答解説
正解は5です。
発育性股関節形成不全(DDH)は、乳児期に診断されることが多く、早期治療が重要です。リーメンビューゲル装具は、乳児の大腿骨頭を寛骨臼に適切に整復し、股関節の正常な発育を促すために使用されます。他の選択肢は発育性股関節形成不全の特徴や治療に関して誤りが含まれています。
選択肢の解説
- 開排は制限されない。
誤りです。発育性股関節形成不全では、大腿骨頭が寛骨臼から部分的または完全に脱臼しているため、開排制限がしばしば見られます。このため開排検査が診断に用いられることがあります。 - 大腿骨頭の前方脱臼が多い。
誤りです。発育性股関節形成不全では、後上方脱臼が最も多いパターンです。大腿骨頭が寛骨臼の後方に脱臼しやすく、診断時の確認ポイントとなります。 - 二次的な変形性股関節症にはなりにくい。
誤りです。発育性股関節形成不全が適切に治療されない場合、成人期に二次的な変形性股関節症を引き起こしやすくなります。早期治療が必要な理由の一つです。 - 7歳以上では外転位保持免荷装具を用いる。
誤りです。外転位保持装具は乳児や小児の治療に用いられますが、7歳以上では適応外であり、手術治療が主に考慮されます。 - 乳児期ではリーメンビューゲル装具を用いる。
正解です。リーメンビューゲル装具は、乳児の治療に用いられる代表的な外転位保持装具で、寛骨臼への大腿骨頭の適切な整復と関節の安定化を目的とします。
ワンポイントアドバイス
発育性股関節形成不全では、乳児期における早期診断と治療が予後に大きく影響します。リーメンビューゲル装具や外転位保持装具の役割や適応年齢を理解するとともに、股関節の脱臼パターン(後上方が多い)を正確に覚えておきましょう。