第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題72

下腿中央の横断面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 膝関節の屈曲
  2. 足の底屈
  3. 足の内がえし
  4. 母指の屈曲
  5. 第2~5指の屈曲

解答解説

正解は2. 足の底屈3. 足の内がえしです。

解説

図中の矢印で示された筋は、下腿の後脛骨筋(tibialis posterior)を指しています。この筋は、主に足関節の底屈および内がえしに関与します。以下に選択肢の詳細を説明します。

  1. 膝関節の屈曲
    後脛骨筋は足関節の動きに関与する筋であり、膝関節の屈曲には関与しません。不適切です。
  2. 足の底屈
    後脛骨筋は足関節の底屈に寄与する筋であり、適切です。
  3. 足の内がえし
    後脛骨筋は足関節の内がえしにも寄与します。したがって、適切です。
  4. 母指の屈曲
    母指の屈曲は主に母趾屈筋群(長母指屈筋など)の作用であり、後脛骨筋は関与しません。不適切です。
  5. 第2~5指の屈曲
    第2~5指の屈曲は主に長指屈筋(flexor digitorum longus)の作用であり、後脛骨筋は関与しません。不適切です。

ワンポイントアドバイス

後脛骨筋は足部の内側アーチを支持する重要な筋です。その作用を覚える際は、足の底屈内がえしという二つの動きをセットで覚えましょう。また、下腿深層筋(後脛骨筋、長母指屈筋、長指屈筋)の役割と走行を整理して覚えることが、類似問題への対応に役立ちます。