下腿義足の静的アライメントにおいて、つま先の浮き上がりが観察され、膝折れを起こしそうな不安定感の訴えがあった。ソケットへの対応で適切なのはどれか。
- 外側へ移動させる。
- 後方へ移動させる。
- 内側へ移動させる。
- 初期屈曲角度を減らす。
- 初期内転角度を減らす。
解答解説
正解は4です。
下腿義足の静的アライメントでつま先の浮き上がりや膝折れの不安定感が生じる場合、ソケットの初期屈曲角度を減らすことが適切です。初期屈曲角度が大きすぎると、荷重時に義足が過度に屈曲するため、膝折れが発生しやすくなります。この調整により膝周囲の安定性を確保し、つま先浮き上がりも改善されます。
選択肢の解説
- 外側へ移動させる。
誤りです。ソケットを外側に移動させると、義足側に過剰な外側荷重がかかり、不安定感がさらに増す可能性があります。つま先の浮き上がりや膝折れには関係しません。 - 後方へ移動させる。
誤りです。ソケットを後方へ移動させると、前足部への荷重が減少し、推進力が低下します。この調整はつま先の浮き上がりや膝折れの改善には効果的ではありません。 - 内側へ移動させる。
誤りです。ソケットを内側に移動させると、義足側に過剰な内側荷重がかかる可能性があり、つま先浮き上がりや膝折れの改善には不適切です。 - 初期屈曲角度を減らす。
正解です。初期屈曲角度が大きすぎる場合、膝折れの原因になります。この角度を減らすことで義足の安定性が向上し、膝折れやつま先浮き上がりが改善されます。 - 初期内転角度を減らす。
誤りです。初期内転角度は義足の内外側荷重バランスに影響を与えますが、つま先浮き上がりや膝折れに直接関与しません。
ワンポイントアドバイス
義足使用者の静的アライメント調整では、問題の発生原因を正確に把握することが重要です。膝折れの不安定感やつま先浮き上がりがある場合、初期屈曲角度や足部の位置が原因となることが多いです。これらの調整が歩行の安定性に直結するため、必ず理解しておきましょう。