第54回

第54回理学療法士国家試験 午後問題24

病的反射と刺激方法の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. Chaddock 反射 ―― 足の内果の下方を後ろから前へこする。
  2. Gonda 反射 ―― 足の第4指をつまみ下方へ引っ張る。
  3. Gordon 反射 ―― アキレス腱を強くつまむ。
  4. Oppenheim 反射 ―― 脛骨内縁を上方から下方へこすりおろす。
  5. Schaeffer 反射 ―― 足底面の外縁を踵から上へ向かってこすりあげる。

解答解説

正解は2と4です。

病的反射は、中枢神経系障害で出現することがあり、特定の刺激で誘発されます。Gonda反射では第4指を引っ張ることで足趾が屈曲、Oppenheim反射では脛骨内縁をこすることで足趾が背屈します。これらの反射は錐体路障害を示唆する重要な所見です。他の選択肢は刺激方法が誤っています。

選択肢の解説

  1. Chaddock反射 ―― 足の内果の下方を後ろから前へこする。
    誤りです。Chaddock反射では、足の外果の下方をこすることで誘発されます。刺激方法が異なっているため、誤答です。
  2. Gonda反射 ―― 足の第4指をつまみ下方へ引っ張る。
    正解です。この刺激により、足趾が背屈する反応が見られます。Gonda反射は錐体路障害の診断に用いられる病的反射の一つです。
  3. Gordon反射 ―― アキレス腱を強くつまむ。
    誤りです。Gordon反射では、ふくらはぎの筋腹を強くつまむことで誘発されます。アキレス腱をつまむ刺激方法は誤りです。
  4. Oppenheim反射 ―― 脛骨内縁を上方から下方へこすりおろす。
    正解です。脛骨内縁を強くこすることで、母趾が背屈し他の足趾が扇状に開く反応が見られます。この反射も錐体路障害を示唆します。
  5. Schaeffer反射 ―― 足底面の外縁を踵から上へ向かってこすりあげる。
    誤りです。Schaeffer反射ではアキレス腱をつまむ刺激で反射が誘発されます。足底面をこする方法はBabinski反射の刺激方法に近いですが、Schaeffer反射ではありません。

ワンポイントアドバイス

病的反射の刺激方法は、正しい操作を理解していないと誤った判定に繋がります。代表的な反射(Babinski、Chaddock、Oppenheim、Gondaなど)の刺激部位と反応をセットで覚えましょう。特に脊髄や錐体路の病変を疑う際に重要な検査となります。