第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題51

股関節で正しいのはどれか。

  1. 顆状関節である。
  2. 大腿骨頭部は関節包外にある。
  3. 寛骨臼は前外側を向いている。
  4. 寛骨臼は腸骨のみで構成される。
  5. 腸骨大腿靭帯が関節包後面から補強している。

解答解説

正解は3. 寛骨臼は前外側を向いている。です。

解説

股関節は、大腿骨頭と寛骨臼が形成する球関節で、身体の安定性と可動性を両立する重要な関節です。寛骨臼は外側やや前方下向きに向いており、これが股関節の機能的特徴です。以下、各選択肢を解説します。

  1. 顆状関節である。
    股関節は球関節であり、顆状関節ではありません。顆状関節は膝関節にみられる関節形式です。不適切です。
  2. 大腿骨頭部は関節包外にある。
    大腿骨頭部は関節包に包まれており、寛骨臼と密接に接しています。この記述は誤りです。
  3. 寛骨臼は前外側を向いている。
    寛骨臼は股関節の安定性を高めるために外側やや前方下向きに配置されています。この記述は正しく、正解です。
  4. 寛骨臼は腸骨のみで構成される。
    寛骨臼は腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨が融合して構成されています。「腸骨のみ」という記述は誤りです。
  5. 腸骨大腿靭帯が関節包後面から補強している。
    腸骨大腿靭帯は関節包の前面を補強しており、後面ではありません。この記述も誤りです。

ワンポイントアドバイス

股関節に関する問題では、寛骨臼の向きや構成骨、靭帯の役割がよく問われます。寛骨臼の向き(外側やや前方下向き)、腸骨大腿靭帯が前面を補強することなどを正確に理解しておきましょう。