2型糖尿病患者における運動療法の効果で誤っているのはどれか。
- インスリン抵抗性の増大
- 血圧低下
- 血糖コントロールの改善
- 脂質代謝の改善
- 心肺機能の改善
解答解説
正解は1(インスリン抵抗性の増大)です。
運動療法は、インスリン感受性を改善する効果があり、インスリン抵抗性を増大させることはありません。適度な有酸素運動や筋力トレーニングを行うことで、筋肉による糖の取り込みが促進され、インスリンの効率が向上します。
各選択肢の解説
- インスリン抵抗性の増大
運動療法はインスリン抵抗性を減少させ、感受性を改善します。これにより、血糖値が適切にコントロールされるようになります。インスリン抵抗性の増大は運動療法の効果とは正反対であり、この選択肢は誤りです。 - 血圧低下
有酸素運動には血管を拡張させる効果があり、血圧低下が期待されます。特に高血圧を合併している糖尿病患者では、運動療法が有効です。この選択肢は正しいです。 - 血糖コントロールの改善
運動により筋肉の糖取り込みが促進されるため、血糖値の改善効果が期待されます。HbA1cの低下など、長期的な血糖コントロールにも寄与します。この選択肢は正しいです。 - 脂質代謝の改善
運動療法は、LDLコレステロールの低下やHDLコレステロールの増加、トリグリセリドの低下など脂質代謝の改善に寄与します。この選択肢は正しいです。 - 心肺機能の改善
有酸素運動を続けることで、心肺機能が向上し、全身の循環効率が改善します。糖尿病患者においても、この効果は確認されています。この選択肢は正しいです。
ワンポイントアドバイス
運動療法は2型糖尿病管理における重要な柱の一つです。次の効果を覚えておきましょう:
- 血糖コントロール:インスリン感受性改善、糖利用促進
- 心血管への影響:血圧低下、脂質代謝改善、心肺機能向上
- 注意点:低血糖や合併症の有無に応じて運動内容を調整
運動療法は薬物療法と併用することで、より良い治療効果が期待されます。