第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題30

胸腰仙椎装具で正しいのはどれか。

  1. 後方支柱は棘突起の直上に位置させる。
  2. 骨盤帯の位置は大転子と腸骨稜の間である。
  3. 側方支柱は骨盤帯と肩甲間バンドを結合する。
  4. 胸椎バンドの位置は肩甲骨の下1/3の高さである。
  5. 腹部前当ての上縁の位置は剣状突起の高さである。

解答解説

正解は 2. 骨盤帯の位置は大転子と腸骨稜の間である。
胸腰仙椎装具は、脊椎の安定性を確保し、負担を軽減するために使用されます。骨盤帯は大転子と腸骨稜の間に適切に配置することで、装具が安定し、装着時の効果を最大限に発揮することができます。この位置が正しい装着の基本となります。

各選択肢の解説

  1. 後方支柱は棘突起の直上に位置させる。
    後方支柱は棘突起の直上ではなく、その両側に配置されます。 棘突起を直接圧迫しないようにすることで、快適性と安全性を確保します。この選択肢は誤りです。
  2. 骨盤帯の位置は大転子と腸骨稜の間である。
    正解です。骨盤帯はこの位置に配置することで、装具が安定し、効果的に機能します。 骨盤帯の位置が不適切だと、装具がずれやすくなり、十分な支持力を得られません。
  3. 側方支柱は骨盤帯と肩甲間バンドを結合する。
    側方支柱は、装具全体を安定させるために用いられますが、肩甲間バンドではなく胸椎バンドを結合します。 この選択肢は誤りです。
  4. 胸椎バンドの位置は肩甲骨の下1/3の高さである。
    胸椎バンドの適切な位置は肩甲骨の下端(全体の下1/3ではなく)とされます。 この選択肢は誤りです。
  5. 腹部前当ての上縁の位置は剣状突起の高さである。
    腹部前当ての上縁は剣状突起よりもやや低い位置に配置します。剣状突起の高さでは、装具が不快感を生じる可能性があります。 この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

胸腰仙椎装具の各部位の位置を正確に理解することが、装具の効果を最大限に発揮させる鍵となります。特に骨盤帯の位置(大転子と腸骨稜の間)は装具全体の安定性に大きく影響するため、正しい位置を覚えておきましょう。