生後8か月の乳児。運動発達の遅れがあり、療育施設にて理学療法を受けている。図のような姿勢を示す。優先して行う運動はどれか。
- 寝返り
- 膝立ち
- 四つ這い
- 立ち上がり
- 免荷立位での交互振り出し
解答解説
正解は3. 四つ這いです。
解説
図では、生後8か月の乳児が座位と腹這い姿勢を示しています。この時期の正常発達では、四つ這いの動作が発達段階として重要であり、次の発達段階である立位や歩行の基礎となります。運動発達の遅れがある場合でも、四つ這いの獲得を優先して練習することが適切です。
各選択肢の解説
- 寝返り(誤り)
- 寝返りは生後4〜6か月ごろに獲得される運動スキルであり、この乳児は既に座位や腹這い姿勢が可能であるため、優先度は低いと考えられます。
- 膝立ち(誤り)
- 膝立ちは、四つ這いが安定してから取り組む運動です。この乳児では四つ這いがまだ完成していないと推測されるため、優先すべきではありません。
- 四つ這い(正解)
- 四つ這いは、座位や腹這い姿勢から次の発達段階として重要な運動です。四つ這いでは、体幹と四肢の筋力、バランス、協調性が発達し、その後の立位や歩行に向けた準備運動として役立ちます。
- 立ち上がり(誤り)
- 立ち上がりは生後10か月以降に見られる運動スキルであり、四つ這いが完成した後に練習すべき段階です。
- 免荷立位での交互振り出し(誤り)
- 免荷立位での交互振り出しは、歩行獲得の準備運動であり、立位や膝立ちが安定した後に行います。この乳児ではまだ早い段階です。
四つ這いの意義
- 体幹と四肢の協調性:体幹の安定性と四肢の動きの調整を学ぶ動作です。
- 体重移動の練習:四肢の交互運動により、左右の重心移動を習得します。
- 後の発達段階への影響:立位や歩行の発達に直接つながります。
ワンポイントアドバイス
運動発達を評価する際には、現在の運動スキルに応じた適切な介入を行うことが重要です。この場合、四つ這いを優先的に指導し、次の発達段階である立位や歩行に備えることがポイントとなります。