パニック障害の薬物療法で用いられるのはどれか。
- 抗うつ薬
- 抗精神病薬
- 気分安定薬
- 抗てんかん薬
- 中枢神経刺激薬
解答解説
正解は1. 抗うつ薬です。
解説
パニック障害は、突発的な強い不安発作(パニック発作)が繰り返される疾患です。薬物療法は、発作を抑えるとともに、予防的に長期的なコントロールを目的とします。主に用いられる薬剤は抗うつ薬とベンゾジアゼピン系薬剤です。
各選択肢の解説
- 抗うつ薬(正解)
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が第一選択薬として用いられます。
- 抗うつ薬は、不安や恐怖感に関連する神経伝達物質(セロトニン)の調整を行い、パニック障害の発作頻度を減少させます。
- 抗精神病薬(誤り)
- 抗精神病薬は統合失調症や双極性障害などの治療に用いられますが、パニック障害の第一選択薬ではありません。ただし、重症例で合併症がある場合に補助的に使われることがあります。
- 気分安定薬(誤り)
- 気分安定薬は、双極性障害などの治療に用いられる薬であり、パニック障害には適応されません。
- 抗てんかん薬(誤り)
- 抗てんかん薬はてんかんや神経痛の治療に用いられますが、パニック障害の治療には通常用いられません。
- 中枢神経刺激薬(誤り)
- 中枢神経刺激薬は注意欠陥多動性障害(ADHD)などに用いられますが、パニック障害では使用されません。むしろ、刺激作用は不安症状を悪化させる可能性があります。
パニック障害の治療薬のポイント
- 急性発作の治療:ベンゾジアゼピン系薬剤(即効性あり)。
- 長期予防:SSRIを中心とした抗うつ薬が使用され、患者の不安定な状態を安定化します。
ワンポイントアドバイス
パニック障害の治療では、即効性のある薬剤(ベンゾジアゼピン)と長期予防を目的とするSSRIの併用が重要です。それぞれの薬剤の目的を理解し、適切な治療戦略を覚えましょう。