うつ病に起こりやすい思考障害はどれか。
- 迂遠
- 観念奔逸
- 思考制止
- 思考途絶
- 滅裂思考
解答解説
正解は3. 思考制止です。
解説
うつ病では、感情や行動に加えて思考の進み方にも特徴的な障害が現れます。特に思考制止がうつ病の代表的な思考障害です。
各選択肢の解説
- 迂遠(誤り)
- 迂遠とは、話の内容が回りくどく、結論にたどり着くまでに無駄が多い思考障害です。統合失調症や器質性脳疾患で見られることがありますが、うつ病の特徴ではありません。
- 観念奔逸(誤り)
- 観念奔逸とは、思考が次々と浮かび、内容がまとまりなく急速に変わる状態で、躁病(双極性障害の躁状態)で見られます。うつ病では通常見られません。
- 思考制止(正解)
- 思考制止は、思考の速度が遅くなる状態で、考えが進まない、何も考えられないという感覚が特徴です。これはうつ病の典型的な症状であり、患者は「頭が働かない」「何をするにも時間がかかる」と訴えます。
- 思考途絶(誤り)
- 思考途絶は、話している途中で突然思考が止まり、会話が中断する状態です。統合失調症の陽性症状でよく見られますが、うつ病では一般的ではありません。
- 滅裂思考(誤り)
- 滅裂思考は、思考の流れが極端に不規則で文脈がつながらない状態です。これは統合失調症や重篤な精神病性障害で見られる症状で、うつ病には関連しません。
うつ病に関連する主な思考障害
- 思考制止:考えが進まない、思考が遅くなる。
- 自己否定的思考:自己評価が低くなる。
- 反復思考(反芻):同じネガティブな考えを繰り返す。
ワンポイントアドバイス
うつ病の思考障害は、患者の主観的な感覚に焦点を当てることがポイントです。思考制止の特徴を正確に理解し、躁病や統合失調症の思考障害と区別できるように整理しましょう。