第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題92

慢性閉塞性肺疾患患者に推奨されないのはどれか。

  1. 低脂肪食
  2. 在宅酸素療法
  3. 上肢の筋力トレーニング
  4. 下肢の筋力トレーニング
  5. インフルエンザワクチン接種

解答解説

正解は1. 低脂肪食です。

解説

慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、栄養療法、運動療法、予防医療などは疾患の進行抑制や症状緩和に重要です。ただし、低脂肪食はエネルギー供給不足を招き、推奨されません

各選択肢の解説

  1. 低脂肪食(誤り:推奨されない)
    • COPD患者では呼吸に多くのエネルギーを消費するため、十分なカロリー摂取が必要です。
    • 脂肪はエネルギー密度が高く、少量でも効率的にエネルギーを摂取できるため、脂肪を適度に含む栄養バランスの取れた食事が推奨されます。
    • 極端な低脂肪食はエネルギー不足を引き起こす可能性があるため不適切です。
  2. 在宅酸素療法(正しい:推奨される)
    • 酸素療法は低酸素血症の管理に重要であり、特に重症COPD患者において生命予後を改善する治療法です。
  3. 上肢の筋力トレーニング(正しい:推奨される)
    • 上肢筋力のトレーニングは呼吸補助筋を強化し、呼吸機能の改善に寄与します。特に、日常生活動作(ADL)における上肢の動作を補助します。
  4. 下肢の筋力トレーニング(正しい:推奨される)
    • 下肢筋力の低下は運動能力の低下に直結するため、トレーニングは重要です。
    • 下肢トレーニングは有酸素能力の向上や全身持久力の維持にも効果的です。
  5. インフルエンザワクチン接種(正しい:推奨される)
    • COPD患者では感染症が急性増悪の主因となるため、インフルエンザワクチンの接種は推奨されます。また、肺炎球菌ワクチンの接種も重要です。

ワンポイントアドバイス

COPD患者の管理では、栄養バランスの確保適切な運動療法が非常に重要です。特に栄養では、過剰な低脂肪食を避け、高エネルギー密度の食品を含めることが推奨されます。COPD管理の基本的な方針を整理して覚えましょう。