第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題50

身体的フレイルの特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 疲労感が増す。
  2. BMIが増加する。
  3. 動作が緩慢になる。
  4. 寝たきり状態である。
  5. Barthel Indexのスコアが高くなる。

解答解説

正解は1. 疲労感が増す3. 動作が緩慢になるです。

解説

身体的フレイルは、高齢者に多く見られる虚弱状態であり、筋力や活動量の低下、体力の衰えが特徴です。身体的フレイルは、早期に介入することで予防や改善が可能であり、フレイルの診断基準として以下の項目がよく用いられます。

身体的フレイルの主な特徴(Fried基準)

  1. 体重減少:意図しない体重減少がみられる。
  2. 筋力低下:握力の低下など。
  3. 疲労感:容易に疲れる、疲労感が抜けない。
  4. 歩行速度の低下:動作が緩慢になり、歩行速度が遅くなる。
  5. 活動量の減少:日常的な身体活動が低下する。

各選択肢の解説

  1. 疲労感が増す(正解)
    • 身体的フレイルでは、全身の機能低下により疲労感が強くなるのが特徴です。
  2. BMIが増加する(誤り)
    • フレイルでは体重減少がみられることが多く、BMIが増加することは一般的ではありません。
  3. 動作が緩慢になる(正解)
    • 筋力や体力の低下により、歩行速度が遅くなり、動作が緩慢になります。これはフレイルの代表的な特徴です。
  4. 寝たきり状態である(誤り)
    • フレイルはまだ自立した生活が可能な状態を指し、寝たきりはフレイルを超えてより重症な虚弱状態(要介護状態)に該当します。
  5. Barthel Indexのスコアが高くなる(誤り)
    • フレイルではADL(Activities of Daily Living)が低下するため、Barthel Indexのスコアが低くなる傾向があります。

ワンポイントアドバイス

身体的フレイルは筋力低下、歩行速度の遅延、疲労感の増加などが主な特徴です。要介護状態になる前段階の状態を指すため、早期発見と介入が重要です。フレイル診断の基準(Fried基準)を覚えておき、問題に適切に対応できるようにしましょう。