第54回

第54回理学療法士国家試験 午前問題88

骨折の名称と部位との組合せで正しいのはどれか。

  1. Bennett骨折 ―― 脛骨
  2. Duverney骨折 ―― 橈骨
  3. Jefferson骨折 ―― 大腿骨
  4. Malgaigne骨折 ―― 骨盤
  5. Smith骨折 ―― 上腕骨

解答解説

正解は4. Malgaigne骨折 ―― 骨盤です。

解説

骨折の名称は、発見者の名前や特徴的な部位、発生メカニズムに基づいて付けられていることが多いです。それぞれの骨折と関連部位について以下に解説します。

各選択肢の解説

  1. Bennett骨折 ―― 脛骨(誤り)
    • Bennett骨折は、母指の基部にある第1中手骨の基部骨折で、母指の関節(手根中手関節)を含む骨折です。脛骨とは関係がありません。
  2. Duverney骨折 ―― 橈骨(誤り)
    • Duverney骨折は、骨盤の腸骨部の骨折です。橈骨には関係しません。
  3. Jefferson骨折 ―― 大腿骨(誤り)
    • Jefferson骨折は、第一頸椎(環椎)の骨折で、頸椎に関連します。大腿骨には関係しません。
  4. Malgaigne骨折 ―― 骨盤(正解)
    • Malgaigne骨折は、骨盤の前後の骨折を伴う不安定な骨折で、寛骨臼の上方脱臼を伴うことが多いです。骨盤部の重度の損傷を特徴とします。
  5. Smith骨折 ―― 上腕骨(誤り)
    • Smith骨折は、手関節に近い橈骨遠位端の骨折で、Colles骨折の逆方向(掌側に屈曲)の骨折です。上腕骨には関係しません。

まとめ

  • Bennett骨折:第1中手骨基部骨折(母指)
  • Duverney骨折:腸骨骨折(骨盤)
  • Jefferson骨折:第一頸椎(環椎)の骨折
  • Malgaigne骨折:骨盤骨折
  • Smith骨折:橈骨遠位端骨折(掌側屈曲型)

ワンポイントアドバイス

骨折名は試験で頻出です。部位や特徴を覚える際には、病態や発生メカニズムと関連付けて覚えると効率的です。特に、Malgaigne骨折は骨盤Jefferson骨折は第一頸椎という組み合わせを明確に区別しましょう。