失行の検査でないのはどれか。
- お茶を入れてもらう。
- 金槌で釘を打ってもらう。
- 日常物品の名前を答えてもらう。
- 「おいでおいで」の動作をしてもらう。
- 歯ブラシを持ったつもりで歯を磨くまねをしてもらう。
解答解説
正解は3. 日常物品の名前を答えてもらうです。
解説
失行は、道具や動作の使い方に関する認知的な障害であり、運動機能や感覚障害がないにもかかわらず、意図した動作が正確に行えない状態を指します。失行の検査では、模倣動作や日常的な動作を行ってもらい、患者が動作を正しく遂行できるかどうかを確認します。本設問で選択肢3は、失行の検査ではなく、失語症(特に物品失語)を調べる際に用いられる検査です。
各選択肢の解説
- お茶を入れてもらう。(正しい検査)
- 日常動作を再現することで、道具の使い方や一連の動作の流れを評価する「観念運動失行」や「観念失行」の検査に該当します。
- 金槌で釘を打ってもらう。(正しい検査)
- 道具の正しい使用方法を評価する「観念失行」の検査に該当します。
- 日常物品の名前を答えてもらう。(失行の検査ではない)
- これは失行の検査ではなく、失語症の評価で用いられる方法です。例えば、物の名前が答えられない場合、物品失語の可能性を示唆します。この選択肢が正解です。
- 「おいでおいで」の動作をしてもらう。(正しい検査)
- 指示された動作を実行する模倣テストであり、「観念運動失行」の評価に使用されます。
- 歯ブラシを持ったつもりで歯を磨くまねをしてもらう。(正しい検査)
- 道具を持たない状態で動作を模倣する行為は、「観念運動失行」や「観念失行」の評価に該当します。
ワンポイントアドバイス
失行の評価ポイントとして以下を押さえておきましょう:
- 観念失行:動作の目的や道具の使い方を理解できない(例:金槌を使えない)。
- 観念運動失行:単純な指示された動作ができない(例:「おいでおいで」を正確に再現できない)。
- 構成失行:物体を正確に配置する作業ができない(例:ブロックで形を再現できない)。
一方、物品の名前を答える検査は失語症の評価に属するため、失行の評価とは区別してください。