膝関節の運動で正しいのはどれか。
- 側副靱帯は屈曲時に緊張する。
- 関節包の後面は前面に比べて伸縮性が高い。
- 半月板の内外縁とも遊離して可動性に関与する。
- 大腿骨の脛骨上の転がり運動は、屈曲最終域までみられる。
- 大腿骨の脛骨上の転がり運動は外側顆部の方が内側顆部より大きい。
解答解説
正解は5. 大腿骨の脛骨上の転がり運動は外側顆部の方が内側顆部より大きいです。
解説
各選択肢の解説
- 側副靱帯は屈曲時に緊張する(誤り)
- 側副靱帯(内側側副靱帯・外側側副靱帯)は、伸展位で緊張し、屈曲時には弛緩します。伸展時に関節の安定性を高める役割があります。
- 関節包の後面は前面に比べて伸縮性が高い(誤り)
- 膝関節の関節包は、前面の方が後面よりも伸縮性が高いです。これは、屈曲・伸展の際に大腿四頭筋や膝蓋骨の動きに対応するためです。
- 半月板の内外縁とも遊離して可動性に関与する(誤り)
- 半月板の外縁は関節包に付着しており、内縁は遊離しています。そのため、内外縁とも遊離しているわけではありません。
- 大腿骨の脛骨上の転がり運動は、屈曲最終域までみられる(誤り)
- 大腿骨と脛骨の関節運動は、屈曲が進むにつれて転がり運動から滑り運動に移行します。屈曲最終域ではほとんど滑り運動が主体となります。
- 大腿骨の脛骨上の転がり運動は外側顆部の方が内側顆部より大きい(正解)
- 大腿骨外側顆は内側顆よりも小さく、転がり運動の距離が大きいため、外側顆部での転がり運動がより大きくなります。これが膝関節の「スクリューホームメカニズム」の一因ともなります。
ワンポイントアドバイス
膝関節の運動は、「転がり」「滑り」「回旋」が複雑に絡み合っています。以下のポイントを押さえましょう:
- 側副靱帯:伸展で緊張、屈曲で弛緩。
- 転がり運動:屈曲初期に多く、進行するにつれて滑り運動へ移行。
- スクリューホームメカニズム:膝伸展時に脛骨が外旋する動きで、大腿骨外側顆が小さいことが関与。
これらを理解しておくと、膝関節に関する試験問題に対応しやすくなります。