ASIA の評価法における脊髄の髄節とその key muscle の組合せで正しいのはどれか。
- C6 ―― 上腕二頭筋
- C8 ―― 上腕三頭筋
- T1 ―― 小指外転筋
- L1 ―― 大腿四頭筋
- L5 ―― 前脛骨筋
解答解説
正解は3. T1 小指外転筋です。
解説
ASIA(American Spinal Injury Association)の評価法では、脊髄の各髄節ごとに「Key muscle」(筋力評価の対象となる代表的な筋肉)が決められています。これは脊髄損傷のレベルを評価するために重要な指標となります。以下に各髄節の代表的な筋肉を示します。
髄節とその key muscle
- C5:上腕二頭筋(肘屈曲)
- C6:手根伸筋(手関節背屈)
- C7:上腕三頭筋(肘伸展)
- C8:指屈筋(中指の末節関節屈曲)
- T1:小指外転筋(小指外転)
- L2:股関節屈筋(大腿直筋など)
- L3:大腿四頭筋(膝伸展)
- L4:前脛骨筋(足関節背屈)
- L5:長母趾伸筋(母趾伸展)
- S1:腓腹筋・ヒラメ筋(足関節底屈)
各選択肢の解説
- C6 ―― 上腕二頭筋(誤り)
- C6のkey muscleは「手根伸筋(手関節背屈)」です。上腕二頭筋はC5のkey muscleです。
- C8 ―― 上腕三頭筋(誤り)
- C8のkey muscleは「指屈筋(中指の末節関節屈曲)」です。上腕三頭筋はC7のkey muscleです。
- T1 ―― 小指外転筋(正解)
- T1のkey muscleは「小指外転筋」です。この選択肢が正解です。
- L1 ―― 大腿四頭筋(誤り)
- L1にはkey muscleが設定されておらず、大腿四頭筋はL3のkey muscleです。
- L5 ―― 前脛骨筋(誤り)
- L5のkey muscleは「長母趾伸筋」です。前脛骨筋はL4のkey muscleです。
ワンポイントアドバイス
ASIAの評価は、脊髄損傷の診断において基本的な知識です。以下を覚えておくと良いでしょう:
- C5〜T1のkey muscleは上肢、L2〜S1のkey muscleは下肢に関連する。
- 損傷レベルの評価には、筋力(5段階評価)や感覚テストも併用する。
- 特にC5〜C8、L3〜L5のkey muscleを重点的に整理しておくと、問題に対応しやすくなります。