神経因性膀胱のうち低活動性膀胱を呈する疾患はどれか。
- 脳出血
- 脳梗塞
- 多発性硬化症
- 頸椎後縦靭帯骨化症
- 糖尿病性自律神経障害
解答解説
正解は5. 糖尿病性自律神経障害です。
解説
神経因性膀胱は、膀胱の排尿に関わる神経障害によって起こる機能異常です。神経因性膀胱には、膀胱の活動が低下する低活動性膀胱と、膀胱が過剰に収縮する過活動性膀胱があります。
- 糖尿病性自律神経障害では、長期にわたる糖尿病の影響で自律神経が障害され、膀胱の収縮力が低下します。その結果、低活動性膀胱となり、排尿困難や尿閉を引き起こします。
選択肢解説
- 脳出血
脳出血は中枢神経系の障害を引き起こすため、膀胱の制御が失われることがあります。この場合は、膀胱が過剰に収縮する過活動性膀胱が主に見られます。不正解です。 - 脳梗塞
脳梗塞でも脳出血と同様に中枢神経の障害によって、過活動性膀胱が生じることが一般的です。不正解です。 - 多発性硬化症
多発性硬化症は中枢神経系の脱髄疾患で、排尿障害が見られる場合がありますが、過活動性膀胱が主な症状です。不正解です。 - 頸椎後縦靭帯骨化症
頸椎後縦靭帯骨化症は脊髄を圧迫し、神経障害を引き起こしますが、通常は過活動性膀胱が生じることが多く、低活動性膀胱には該当しません。不正解です。 - 糖尿病性自律神経障害
糖尿病性自律神経障害は末梢神経と自律神経に障害を引き起こし、膀胱の収縮力低下が原因で低活動性膀胱を呈します。正解です。
ワンポイントアドバイス
神経因性膀胱の病態では、中枢神経障害(脳や脊髄)によるものは過活動性膀胱、末梢神経や自律神経障害によるものは低活動性膀胱となることが多いです。原因疾患を分類して整理しておくと、試験で混乱しにくくなります。