Down症児の初期の腹臥位での移動の特徴はどれか。
- 股関節の外転
- 伸展側下肢の尖足傾向
- 上肢の過剰な引き込み
- 緊張性迷路反射の残存
- 下肢運動の交互性の欠如
解答解説
正解は1. 股関節の外転です。
解説
Down症児は筋緊張低下(低緊張)を特徴とするため、姿勢や運動に特有のパターンが見られます。腹臥位での移動では、筋緊張低下のために股関節が外転しやすく、これが特徴的な姿勢として現れます。また、腹臥位での移動には筋力やコアスタビリティの不足が影響します。
- 股関節の外転
低緊張により、腹臥位で股関節が外転した姿勢を取りやすくなります。これが最も特徴的です。正解です。 - 伸展側下肢の尖足傾向
尖足は痙性麻痺などで見られる特徴であり、低緊張が主な症状のDown症児には該当しません。 - 上肢の過剰な引き込み
Down症児では筋緊張低下により過剰な引き込みは起こりにくいです。不適切です。 - 緊張性迷路反射の残存
緊張性迷路反射は中枢神経障害で見られる反射の残存ですが、Down症児には必ずしも特徴的ではありません。不適切です。 - 下肢運動の交互性の欠如
Down症児では運動パターンは未熟ながらも交互性は維持されやすく、低緊張による動作の遅れが目立ちます。この選択肢は不適切です。
ワンポイントアドバイス
Down症児の運動発達では、低緊張による特有の姿勢や動作パターンに注目することが重要です。股関節の外転や姿勢の不安定性が特徴となるため、リハビリでは筋力強化や姿勢安定性を高める介入が必要です。