末梢神経障害による猿手で使用する装具はどれか。
- コックアップ・スプリント
- 短対立装具
- 虫様筋カフ
- 手関節駆動式把持装具
- BFO
解答解説
正解は2です。
短対立装具は、正中神経麻痺による猿手(母指対立動作や掌側外転が困難な状態)の補助を目的とした装具です。この装具は、母指を適切な対立位に保持し、機能的な手の動作をサポートします。
各選択肢の解説
- コックアップ・スプリント
コックアップ・スプリントは、手関節伸展位を保持する装具で、主に橈骨神経麻痺や手根管症候群に使用されます。正中神経麻痺による猿手の補助には適していません。 - 短対立装具
短対立装具は、母指の対立運動を補助し、正中神経麻痺による猿手に適切な支援を提供する装具です。猿手の症状に直接対応できるため、正解です。 - 虫様筋カフ
虫様筋カフは、尺骨神経麻痺により起こる鷲手(手指のMP関節伸展とIP関節屈曲が進む状態)の補助に使用される装具です。猿手には適用されません。 - 手関節駆動式把持装具
これはC6脊髄損傷などで把持機能を補助する装具であり、末梢神経障害による猿手には直接的な適用はありません。 - BFO(バイラテラルフィンガーオーソシス)
手指の固定や支援に用いられる装具ですが、猿手の特異的な補助装具ではありません。
ワンポイントアドバイス
猿手(正中神経麻痺)の特徴は、母指対立や掌側外転が困難であることです。 このような機能障害に対処するために、短対立装具の使用が適しています。一方で、尺骨神経麻痺や橈骨神経麻痺には異なる装具が使用されるため、症状に応じた適切な装具選択を覚えておきましょう。