β遮断薬服用中患者の運動負荷量決定に最も適している指標はどれか。
- PCI
- Borg指数
- Karvonen法
- 安静時心拍数
- 最大予測心拍数
解答解説
正解は2(Borg指数)です。
β遮断薬は心拍数を低下させる作用があり、心拍数を基準とする運動負荷量の設定が正確に行えない場合があります。このため、主観的運動強度を評価するBorg指数(自覚的運動強度:RPE)は、β遮断薬服用中の患者において最適な指標とされています。
各選択肢の解説
- PCI(心肺能率指数)
PCIは、運動中の脈拍増加と歩行速度から心肺効率を評価する指標です。運動負荷量の決定には用いられません。この選択肢は誤りです。 - Borg指数
Borg指数(RPE)は、患者が感じる主観的な運動のきつさを数値で評価する方法で、心拍数が適切に反映されないβ遮断薬服用中の患者に有用です。この選択肢は正しいです。 - Karvonen法
Karvonen法は、心拍数の目標域値を設定するための方法で、心拍数が正確に反映されることが前提です。β遮断薬服用中の患者には適していません。この選択肢は誤りです。 - 安静時心拍数
安静時心拍数は運動負荷量の基準としては不十分であり、運動強度の決定には直接使用されません。この選択肢は誤りです。 - 最大予測心拍数
最大予測心拍数(220-年齢)を基準とする場合、β遮断薬の影響で心拍数が抑制されるため、適切な負荷量の設定が難しくなります。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
β遮断薬服用中の運動負荷量決定におけるポイント:
- 心拍数を指標にする場合、正確な反映が難しい。
- Borg指数(RPE)を利用し、患者自身の主観的運動強度を評価する。
- 運動中の自覚症状(息切れや疲労感)にも注意する。
Borg指数を用いる際は、目標強度を「13~15(ややきつい)」程度に設定することが一般的です。