視神経脊髄炎で正しいのはどれか。
- 再発と寛解を繰り返す。
- レム睡眠行動異常を生じる。
- 免疫不全状態で罹患しやすい。
- JCウイルス感染により発症する。
- 抗コリンエステラーゼ薬で症状が改善する。
解答解説
正解は1(再発と寛解を繰り返す)です。
視神経脊髄炎(NMO: Neuromyelitis Optica)は、視神経と脊髄を主に侵す中枢神経系の自己免疫疾患です。発症後は再発と寛解を繰り返し、再発ごとに神経障害が進行するため、早期診断と治療が重要です。治療にはステロイドや免疫抑制剤が用いられます。
各選択肢の解説
- 再発と寛解を繰り返す。
視神経脊髄炎の典型的な経過で、再発を繰り返すたびに神経障害が進行します。この選択肢は正しいです。 - レム睡眠行動異常を生じる。
レム睡眠行動異常は主にパーキンソン病や多系統萎縮症などの神経変性疾患で見られる症状で、視神経脊髄炎では通常起こりません。この選択肢は誤りです。 - 免疫不全状態で罹患しやすい。
視神経脊髄炎は自己免疫疾患であり、免疫不全状態と直接の関係はありません。この選択肢は誤りです。 - JCウイルス感染により発症する。
JCウイルス感染は進行性多巣性白質脳症(PML)の原因です。視神経脊髄炎は抗AQP4抗体(アクアポリン4抗体)を持つ自己免疫疾患であり、ウイルス感染は関係ありません。この選択肢は誤りです。 - 抗コリンエステラーゼ薬で症状が改善する。
抗コリンエステラーゼ薬は、神経筋接合部の異常を改善する薬で、重症筋無力症などに使用されます。視神経脊髄炎の治療には関与しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
視神経脊髄炎と多発性硬化症(MS)は類似点がありますが、以下の違いを理解することが重要です:
- 視神経脊髄炎(NMO):再発型、抗AQP4抗体陽性、視神経と脊髄が中心
- 多発性硬化症(MS):寛解と再発を繰り返すが、脳内多発病変が特徴
視神経脊髄炎では、再発を防ぐための免疫療法が重要な治療手段となります。