Spurlingテストが陽性のとき、疑うべき疾患はどれか。
- 環軸関節回旋位固定
- 頸椎症性神経根症
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰椎分離症
- 腰部脊柱管狭窄症
解答解説
正解は2(頸椎症性神経根症)です。
Spurlingテストは、頸椎神経根の圧迫を評価するための検査です。患者の頸部を伸展、側屈し、その状態で頭部に軽い圧迫を加えることで、神経根がさらに圧迫されます。このテストが陽性である場合、患側の肩や上肢に放散痛が出現し、頸椎症性神経根症など、神経根の圧迫が疑われます。
各選択肢の解説
- 環軸関節回旋位固定
環軸関節回旋位固定は、環椎と軸椎の間での可動域制限を伴う障害で、頸椎の回旋制限や疼痛が特徴です。神経根症状とは関連が薄く、Spurlingテストは適応外です。 - 頸椎症性神経根症
頸椎症性神経根症は、椎間板の変性や骨棘形成によって神経根が圧迫される状態です。Spurlingテストによって神経根の圧迫が強調され、放散痛が増強するため、この疾患で陽性反応が出やすいです。 - 腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは下肢への放散痛を伴う疾患で、頸椎ではなく腰椎に関連する問題です。Spurlingテストは頸椎に焦点を当てた検査であるため、腰椎の疾患には適用されません。 - 腰椎分離症
腰椎分離症は、脊椎の後方構造が分離する状態で、腰痛や腰部の不安定性が主症状です。Spurlingテストは頸椎に関する検査であり、腰椎分離症の評価には適しません。 - 腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、下肢の間欠性跛行や神経症状が特徴で、頸椎ではなく腰部に問題がある疾患です。Spurlingテストは頸椎に焦点を当てた検査であり、腰部脊柱管狭窄症の診断には適用されません。
ワンポイントアドバイス
Spurlingテストは、頸椎症性神経根症の診断で非常に有用です。ただし、テスト中の圧迫が強すぎると患者に不要な苦痛を与える可能性があるため、力加減に注意が必要です。また、陽性であれば必ず画像検査などでさらに詳しい評価を行い、診断を確定することが重要です。