疾患と頻度の多い症候との組合せで正しいのはどれか。
- Alzheimer型認知症 羽ばたき振戦
- Huntington病 線維束性収縮
- 多発性硬化症 舞踏運動
- 筋萎縮性側索硬化症 静止時振戦
- 多系統萎縮症 起立性低血圧
解答解説
正解は5(多系統萎縮症 起立性低血圧)です。
多系統萎縮症(MSA)は、進行性の神経変性疾患で、自律神経症状(特に起立性低血圧)がよく見られます。起立性低血圧は、立位での血圧低下により、めまいや失神を引き起こします。この症状は多系統萎縮症の診断において重要なポイントです。
各選択肢の解説
- Alzheimer型認知症 羽ばたき振戦
Alzheimer型認知症の主な症状は、記憶障害や認知機能低下です。羽ばたき振戦は、肝性脳症やウィルソン病で見られる症状であり、Alzheimer型認知症とは関連がありません。この選択肢は誤りです。 - Huntington病 線維束性収縮
Huntington病の主な症状は舞踏運動(四肢や顔面の不随意運動)や精神症状、認知機能低下です。線維束性収縮は筋萎縮性側索硬化症(ALS)に特徴的な症状であり、Huntington病には見られません。この選択肢は誤りです。 - 多発性硬化症 舞踏運動
多発性硬化症は、中枢神経系の脱髄による疾患で、運動麻痺、感覚障害、視力低下などが典型的な症状です。舞踏運動はHuntington病に特徴的で、多発性硬化症では通常見られません。この選択肢は誤りです。 - 筋萎縮性側索硬化症 静止時振戦
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の主な症状は、筋力低下や線維束性収縮、運動ニューロン障害による筋萎縮です。静止時振戦はパーキンソン病の特徴であり、ALSには見られません。この選択肢は誤りです。 - 多系統萎縮症 起立性低血圧
多系統萎縮症(MSA)では、自律神経障害として起立性低血圧がよく見られます。これは正しい選択肢です。
ワンポイントアドバイス
疾患ごとの特徴的な症候を整理して覚えておきましょう:
- Alzheimer型認知症:記憶障害、見当識障害
- Huntington病:舞踏運動、精神症状
- 多発性硬化症:感覚障害、視力低下、運動麻痺
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS):筋力低下、線維束性収縮
- 多系統萎縮症(MSA):起立性低血圧、小脳失調、パーキンソン症候群
これらを正確に理解することで、臨床や試験問題に対応しやすくなります。