Brown-Séquard症候群で損傷髄節よりも下位の反対側に現れる症状はどれか。2つ選べ。
- 運動麻痺
- 触覚障害
- 痛覚障害
- 温度覚障害
- 深部覚障害
解答解説
正解は3(痛覚障害)と4(温度覚障害)です。
Brown-Séquard症候群は脊髄の片側が損傷された場合に生じる症候群です。損傷部位よりも下位で、以下のような特徴的な神経症状が現れます:
- 同側:錐体路の障害による運動麻痺、後索の障害による触覚および深部覚障害
- 反対側:外側脊髄視床路の障害による痛覚および温度覚障害
各選択肢の解説
- 運動麻痺
運動麻痺は、損傷された側(同側)に現れます。これは錐体路が損傷部位の同側で障害されるためです。この選択肢は誤りです。 - 触覚障害
触覚(精細な触覚)は、後索が障害されるため、損傷された側(同側)で生じます。反対側には現れません。この選択肢は誤りです。 - 痛覚障害
痛覚は外側脊髄視床路によって伝えられます。この経路は脊髄で交叉するため、損傷部位よりも下位の反対側で障害されます。この選択肢は正しいです。 - 温度覚障害
温度覚も痛覚と同様に外側脊髄視床路を通ります。損傷部位よりも下位の反対側で障害されます。この選択肢は正しいです。 - 深部覚障害
深部覚は後索を通るため、損傷された側(同側)で障害されます。反対側には現れません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
Brown-Séquard症候群では、外側脊髄視床路(痛覚・温度覚)が交叉する点に注目してください。以下のように整理すると覚えやすくなります:
- 同側(損傷側):運動麻痺(錐体路)、触覚・深部覚障害(後索)
- 反対側(損傷の反対側):痛覚・温度覚障害(外側脊髄視床路)
臨床でも脊髄損傷の評価に役立つ重要な知識です。