頭部CTを基に所見として考えられるのはどれか。
- くも膜下出血
- 硬膜外血腫
- 硬膜下血腫
- 脳動静脈奇形
- 皮質下出血
解答解説
正解は 2. 硬膜外血腫 です。
画像所見では、左側にレンズ型(凸レンズ状)の高吸収域が確認されます。この特徴的な形状は硬膜外血腫に一致します。硬膜外血腫は、頭蓋骨骨折によって中硬膜動脈が損傷し、硬膜と頭蓋骨の間に血液がたまることで生じます。
各選択肢の解説
- くも膜下出血
誤りです。くも膜下出血では、CTで脳槽や脳回のくも膜下腔に高吸収域が見られますが、この画像のようなレンズ型ではなく、血液がくも膜下腔に沿って広がる所見が特徴です。 - 硬膜外血腫
正解です。硬膜外血腫は、硬膜と頭蓋骨の間に血液がたまる状態で、画像では凸レンズ型の高吸収域として現れます。 主な原因は外傷による中硬膜動脈の損傷です。 - 硬膜下血腫
誤りです。硬膜下血腫は硬膜とくも膜の間に血液がたまる状態で、画像所見では三日月型の高吸収域が特徴です。 本症例の凸レンズ型とは異なります。 - 脳動静脈奇形
誤りです。脳動静脈奇形は通常、脳の深部や表面に異常な血管構造が見られ、CTでは明確な出血や腫瘤効果がない限り診断は難しいです。この画像所見とは一致しません。 - 皮質下出血
誤りです。皮質下出血は脳実質内に出血が生じるもので、出血部位が脳実質に限局している点が特徴です。この画像のような硬膜外の凸レンズ型所見は見られません。
ワンポイントアドバイス
硬膜外血腫と硬膜下血腫はCT画像所見で区別することが重要です。硬膜外血腫は「凸レンズ型」、硬膜下血腫は「三日月型」と覚えておきましょう。また、硬膜外血腫は急速に進行するため、迅速な治療が必要です。外傷の既往がある患者では特に注意してください。