第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題75

尿検査項目とその検査結果が高値となる疾患との組合せで正しいのはどれか。

  1. ケトン体 ー 膵炎
  2. ビリルビン ー 糖尿病
  3. アルブミン ー 肝硬変
  4. ヘモグロビン ー 心筋梗塞
  5. ミオグロビン ー 横紋筋融解症

解答解説

正解は5(ミオグロビン 横紋筋融解症)です。
横紋筋融解症では、筋細胞が破壊されることでミオグロビンが血中に放出され、最終的に尿中にも排泄されます。これにより尿中ミオグロビン値が高値となります。横紋筋融解症は、激しい運動や外傷、薬剤性疾患などで引き起こされる可能性があります。

各選択肢の解説

  1. ケトン体 膵炎
    ケトン体の増加は、糖尿病性ケトアシドーシスや飢餓状態、低炭水化物食などで見られます。膵炎は主に膵酵素の異常であり、ケトン体の増加とは関係ありません。この選択肢は誤りです。
  2. ビリルビン 糖尿病
    尿中ビリルビンの増加は、主に肝障害や胆管閉塞などによるものです。糖尿病そのものではビリルビン値は増加しません。この選択肢は誤りです。
  3. アルブミン 肝硬変
    肝硬変では血清アルブミン値が低下するのが一般的であり、尿中アルブミンの増加は通常見られません。尿中アルブミン増加は糖尿病性腎症などで見られます。この選択肢は誤りです。
  4. ヘモグロビン 心筋梗塞
    尿中ヘモグロビン増加は溶血性貧血や血管損傷で見られますが、心筋梗塞とは直接関係ありません。この選択肢は誤りです。
  5. ミオグロビン 横紋筋融解症
    横紋筋融解症では筋細胞が壊れることでミオグロビンが尿中に排泄されます。これは正しい選択肢です。

ワンポイントアドバイス

尿検査は、さまざまな疾患のスクリーニングや診断に利用されます。それぞれの検査項目と関連疾患を把握しておくことが重要です。特に以下の点を覚えておくと役立ちます:

  • ケトン体:糖尿病ケトアシドーシス、飢餓状態
  • ビリルビン:肝障害、胆管閉塞
  • アルブミン:腎障害(糖尿病性腎症など)
  • ヘモグロビン:溶血性貧血、血管損傷
  • ミオグロビン:横紋筋融解症