廃用症候群の症状と予防法の組合せで誤っているのはどれか。
- 起立性低血圧 ― 離床
- 筋力低下 ― 神経筋電気刺激
- 骨萎縮 ― 機能的電気刺激
- 褥瘡 ― 体位変換
- 深部静脈血栓 ― 弾性ストッキング
解答解説
正解は 3. 骨萎縮 機能的電気刺激 です。
骨萎縮(骨密度の低下)の予防には、重力負荷を伴う運動や早期離床、立位練習が有効です。機能的電気刺激(FES)は主に筋力低下や関節可動域の維持に用いられるものであり、骨萎縮への直接的な効果は限定的です。そのため、この組合せは誤りとなります。
各選択肢の解説
- 起立性低血圧 離床
正しいです。起立性低血圧は、長期臥床により循環調節が低下することで生じます。 離床や起立訓練を通じて循環機能を回復させることが予防に有効です。 - 筋力低下 神経筋電気刺激
正しいです。神経筋電気刺激(NMES)は筋肉に電気刺激を与えて収縮を促す方法であり、筋力低下の予防に有効です。 特に運動が難しい患者に適用されます。 - 骨萎縮 機能的電気刺激
誤りです。骨萎縮の予防には、重力刺激を伴う運動(例:立位練習や歩行訓練)が重要です。 機能的電気刺激は骨への負荷が少なく、骨萎縮の予防には適していません。 - 褥瘡 体位変換
正しいです。褥瘡の予防には、適切な体位変換が不可欠です。 定期的な体位変換により、局所の血流を改善し、圧迫による皮膚や組織の損傷を防ぎます。 - 深部静脈血栓 弾性ストッキング
正しいです。弾性ストッキングは下肢静脈に一定の圧力をかけることで血流を促進し、深部静脈血栓(DVT)の予防に有効です。 これに加え、適度な運動も重要です。
ワンポイントアドバイス
廃用症候群の予防には、各症状に応じた適切な介入が必要です。特に骨萎縮の予防には、重力負荷を伴う運動が効果的であることを理解し、機能的電気刺激との違いを明確にしておきましょう。また、褥瘡や深部静脈血栓などの予防では、継続的なケアとモニタリングが重要です。