排尿に関与する神経で正しいのはどれか。
- 脳における排尿中枢は延髄にある。
- 外尿道括約筋は下腹神経支配である。
- 内尿道括約筋は陰部神経支配である。
- 交感神経路の興奮は膀胱を弛緩させる。
- 副交感神経路は第11胸髄~第腰髄レベルから生じる。
解答解説
正解は4(交感神経路の興奮は膀胱を弛緩させる)です。
排尿において、交感神経は膀胱の弛緩(排尿抑制)と内尿道括約筋の収縮を促し、尿の貯留を助けます。この働きは主に**下腹神経(T11~L2)**を通じて行われます。
各選択肢の解説
- 脳における排尿中枢は延髄にある。
排尿中枢は、主に脳幹の**橋排尿中枢(Barrington核)**に存在します。延髄にはありません。この選択肢は誤りです。 - 外尿道括約筋は下腹神経支配である。
外尿道括約筋は**陰部神経(S2~S4)**によって支配されます。下腹神経は内尿道括約筋や膀胱の調節に関与します。この選択肢は誤りです。 - 内尿道括約筋は陰部神経支配である。
内尿道括約筋は交感神経(下腹神経)によって支配されます。陰部神経は外尿道括約筋を支配します。この選択肢は誤りです。 - 交感神経路の興奮は膀胱を弛緩させる。
交感神経(下腹神経)の興奮は膀胱の弛緩を促し、尿の貯留を助けます。この選択肢は正しいです。 - 副交感神経路は第11胸髄~第腰髄レベルから生じる。
副交感神経は**仙髄(S2~S4)**から起始し、骨盤神経を通じて膀胱の収縮を促します。第11胸髄~第腰髄は交感神経が起始する部位です。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
排尿機能の神経支配は、以下の3つの経路に分かれます:
- 交感神経(下腹神経):膀胱弛緩、内尿道括約筋収縮 → 尿貯留
- 副交感神経(骨盤神経):膀胱収縮、内尿道括約筋弛緩 → 排尿促進
- 体性神経(陰部神経):外尿道括約筋の収縮制御 → 排尿制御
神経の起始部位と役割を整理して覚えると、臨床での適用がスムーズになります。