第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題58

泌尿器について正しいのはどれか。

  1. 尿管口は膀胱尖に開く。
  2. 尿管内部には逆流防止弁がある。
  3. 男性の尿道は女性に比べて短い。
  4. 男性の尿道は前立腺を貫いている。
  5. 内尿道口は膀胱三角の中央に開く。

解答解説

正解は4(男性の尿道は前立腺を貫いている)です。
男性の尿道は、膀胱から尿道口まで約20cmあり、前立腺を貫く部分を前立腺部尿道といいます。この部分は、前立腺疾患において重要な位置にあります。

各選択肢の解説

  1. 尿管口は膀胱尖に開く。
    尿管口は膀胱の底部にある膀胱三角に開きます。膀胱尖に開くのは尿道の始まりである内尿道口です。この選択肢は誤りです。
  2. 尿管内部には逆流防止弁がある。
    尿管には物理的な弁構造はありませんが、尿管が膀胱に斜めに入ることで逆流防止機能を果たしています。内部に逆流防止弁が存在するわけではありません。この選択肢は誤りです。
  3. 男性の尿道は女性に比べて短い。
    男性の尿道は約20cm、女性の尿道は約4cmとされ、男性の方が圧倒的に長いです。この選択肢は誤りです。
  4. 男性の尿道は前立腺を貫いている。
    男性の尿道は、膀胱から尿道口までの間に前立腺を通過します。この選択肢は正しいです。
  5. 内尿道口は膀胱三角の中央に開く。
    内尿道口は膀胱の底部にあるものの、膀胱三角の中央ではなく、膀胱三角の前方に位置しています。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

泌尿器系の解剖は、排尿障害や前立腺肥大、膀胱炎などの疾患理解に必要です。特に、男性と女性の尿道の違いや膀胱三角の構造、逆流防止機能の仕組みを正確に覚えることが重要です。