第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題68

男性生殖器系で正しいのはどれか。

  1. 勃起中枢は腰髄にある。
  2. 陰茎海綿体神経は動脈収縮作用をもつ。
  3. 射精は副交感神経の作用を介して起きる。
  4. 性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。
  5. 射精後の精子は女性の腟内で週間程度生存する。

解答解説

正解は4(性的刺激による勃起には辺縁系が関与する)です。
性的刺激により引き起こされる勃起には、感情や興奮を司る脳の辺縁系(海馬や扁桃体)が関与します。辺縁系は視床下部を介して、神経系を調節する重要な役割を果たします。

各選択肢の解説

  1. 勃起中枢は腰髄にある。
    勃起中枢は**仙髄(S2~S4)**に位置します。腰髄ではありません。この選択肢は誤りです。
  2. 陰茎海綿体神経は動脈収縮作用をもつ。
    陰茎海綿体神経(副交感神経)は血管を拡張させ、動脈の血流を増加させて勃起を引き起こします。動脈収縮作用はありません。この選択肢は誤りです。
  3. 射精は副交感神経の作用を介して起きる。
    射精は主に交感神経が関与する反応です。副交感神経は勃起に関与します。この選択肢は誤りです。
  4. 性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。
    辺縁系は感情や興奮の中枢であり、性的刺激による勃起には視床下部を介して大きく関与します。この選択肢は正しいです。
  5. 射精後の精子は女性の腟内で週間程度生存する。
    精子の腟内での生存期間は通常1~3日程度であり、週間単位の生存はありません。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

男性生殖器系に関与する神経や生理的機能を正確に理解することは、泌尿器疾患や性機能障害の理解に役立ちます。

  • 勃起:副交感神経(仙髄)と辺縁系が関与。
  • 射精:交感神経(胸腰髄)が主に関与。
  • 精子の寿命:腟内では通常1~3日。