第55回理学療法士国家試験　午後問題66

脳神経とその働きの組合せで正しいのはどれか。

解答解説

正解は2（三叉神経下顎の運動）です。
三叉神経は、第5脳神経であり、顔面の感覚を司るとともに、下顎の運動を支配します。特に、三叉神経の運動枝は咀嚼筋（咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋）を支配しており、下顎の運動に重要な役割を果たします。

顔面神経軟口蓋の挙上
軟口蓋の挙上は主に迷走神経（第10脳神経）の働きによるものです。顔面神経は顔面表情筋の運動や舌前2/3の味覚、唾液腺分泌を司ります。この選択肢は誤りです。
三叉神経下顎の運動
三叉神経の運動枝は咀嚼筋を支配し、下顎の運動を司ります。この選択肢は正しいです。
舌咽神経舌の運動
舌の運動は主に舌下神経（第12脳神経）が支配しています。舌咽神経は、舌後1/3の感覚と味覚、咽頭の運動、唾液分泌を司ります。この選択肢は誤りです。
舌下神経唾液分泌
唾液分泌は主に顔面神経（第7脳神経）と舌咽神経（第9脳神経）が支配します。舌下神経は舌の運動を司るため、この選択肢は誤りです。
迷走神経口唇閉鎖
口唇閉鎖は顔面神経（第7脳神経）が支配する表情筋（口輪筋）の働きによります。迷走神経は内臓の感覚・運動や咽頭・喉頭の運動を司ります。この選択肢は誤りです。

脳神経の働きは、臨床でも頻繁に問われる重要な知識です。以下のポイントを押さえておきましょう：