第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題92

食道癌で正しいのはどれか。

  1. 女性に多い。
  2. 高血圧は危険因子である。
  3. 好発部位は頸部食道である。
  4. 組織型は扁平上皮癌が多い。
  5. ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に関与する。

解答解説

正解は 4. 組織型は扁平上皮癌が多い。

食道癌は組織型として扁平上皮癌が多く、特に日本を含む東アジアでは80~90%がこれに該当します。一方、欧米では腺癌の割合が増加傾向にあります。扁平上皮癌は喫煙や飲酒が主なリスク因子とされています。

各選択肢の解説

  1. 女性に多い。
    誤りです。食道癌は男性に多い疾患です。 男性が女性に比べて飲酒・喫煙の頻度が高いことが主な原因とされています。
  2. 高血圧は危険因子である。
    誤りです。高血圧は食道癌の危険因子ではありません。 主なリスク因子は喫煙、飲酒、熱い飲み物、バレット食道などです。
  3. 好発部位は頸部食道である。
    誤りです。食道癌は中部胸部食道に最も多く発生します。 頸部食道で発生する割合は少ないです。
  4. 組織型は扁平上皮癌が多い。
    正解です。食道癌の組織型として、特に日本では扁平上皮癌が主です。 一方、バレット食道を背景とする腺癌は欧米で多く見られます。
  5. ヘリコバクター・ピロリ菌が発症に関与する。
    誤りです。ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の発症に関与しますが、食道癌とは関連がありません。

ワンポイントアドバイス

食道癌では扁平上皮癌が多いこと、中部胸部食道に好発すること、そして喫煙・飲酒が主要なリスク因子であることを押さえておきましょう。また、バレット食道を背景とする腺癌が欧米で増加傾向にある点も重要です。リスク因子と好発部位の違いは試験で問われやすいポイントです。