ステロイド薬の長期投与によって生じやすいのはどれか。
- 腎不全
- 低血圧
- 骨粗鬆症
- 体重減少
- 高カリウム血症
解答解説
正解は3(骨粗鬆症)です。
ステロイド薬(グルココルチコイド)の長期投与は、骨形成を抑制し、骨吸収を促進することで骨密度を低下させます。このため、骨粗鬆症が生じやすくなります。特に、高齢者や閉経後の女性では骨折のリスクが増加するため、適切な予防策(カルシウムやビタミンDの補給、骨吸収抑制薬の使用)が重要です。
各選択肢の解説
- 腎不全
ステロイド薬は腎不全の直接的な原因とはなりません。ただし、ステロイド使用に伴う高血糖や高血圧が間接的に腎機能に影響を及ぼすことがあります。この選択肢は誤りです。 - 低血圧
ステロイド薬はむしろ血圧を上昇させる作用があります。長期投与により高血圧が生じることが多く、低血圧とは関連がありません。この選択肢は誤りです。 - 骨粗鬆症
ステロイド薬は骨の代謝に大きく影響し、骨形成の抑制と骨吸収の促進を引き起こします。その結果、骨密度の低下や骨折のリスクが増加します。この選択肢は正しいです。 - 体重減少
ステロイド薬は食欲を増進させる作用があり、長期投与により体重が増加することが一般的です。この選択肢は誤りです。 - 高カリウム血症
ステロイド薬はナトリウムの再吸収とカリウムの排泄を促進するため、低カリウム血症を引き起こすことがあります。高カリウム血症とは関係がありません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
ステロイド薬の長期投与による副作用として、以下を覚えておくと臨床で役立ちます:
- 骨粗鬆症
- 高血糖(糖尿病悪化)
- 高血圧
- 易感染性
- 体重増加(満月様顔貌、中心性肥満)
- 筋力低下(ステロイド筋症)
これらの副作用を予防・管理するため、投与量や期間を最小限にする工夫や定期的なモニタリングが重要です。