第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題8

検査用紙を図に示す。1から25までの数字を1から順にできるだけ速く線を引いてつなぐのに要する時間を測定する検査はどれか。

  1. BADS
  2. BIT
  3. CAT
  4. Stroop test
  5. TMT-A

解答解説

正解は 5. TMT-A です。

Trail Making Test Part A (TMT-A)は、1から25までの数字を順番にできるだけ速く線でつなぐ課題です。この検査は注意力、視覚探索能力、処理速度を評価するために用いられます。図のような検査用紙を使い、作業に要する時間を記録します。

各選択肢の解説

  1. BADS(Behavioral Assessment of Dysexecutive Syndrome)
    誤りです。 BADSは遂行機能障害(注意の切り替えや計画能力)の評価に用いられる検査バッテリーです。TMT-Aとは異なります。
  2. BIT(Behavioral Inattention Test)
    誤りです。 BITは半側空間無視の評価に用いられる検査です。この図とは直接関係がありません。
  3. CAT(Cognitive Assessment Tool)
    誤りです。 CATは認知機能全般を評価するスクリーニング検査の一つで、TMT-Aとは異なります。
  4. Stroop test
    誤りです。 Stroop testは色と文字が一致しない場合の反応抑制や注意の評価を行うものであり、数字をつなぐ課題ではありません。
  5. TMT-A(Trail Making Test Part A)
    正解です。 TMT-Aは、指定された数字を順に結ぶ単純な課題で、注意・視覚探索・処理速度を評価します。なお、TMTにはPart Bもあり、Part Bでは数字とアルファベットを交互につなぐ課題が含まれ、より複雑な注意や切り替え能力を評価します。

ワンポイントアドバイス

TMT-Aは、認知機能や注意障害のスクリーニングとして広く使用されます。高齢者や脳損傷患者では時間が延長しやすいので、評価には年齢ごとの標準値との比較が重要です。また、Part Bを追加することで、遂行機能や認知の柔軟性をさらに詳しく評価できます。