第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題56

動脈と触知可能な部位との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 上腕動脈 上腕二頭筋後内側縁
  2. 橈骨動脈 前腕掌側面の外側遠位部
  3. 大腿動脈 Scarpa三角内
  4. 足背動脈 足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間
  5. 後脛骨動脈 外果後方

解答解説

正解は5(後脛骨動脈 外果後方)です。
後脛骨動脈は、内果後方で触知される動脈です。この位置は足部の血流評価に重要なポイントであり、外果後方では触知できません。

各選択肢の解説

  1. 上腕動脈 上腕二頭筋後内側縁
    上腕動脈は上腕二頭筋の後内側縁で触知可能です。肘関節に向かう途中の位置で、血圧測定時にも用いられる部位です。この選択肢は正しいです。
  2. 橈骨動脈 前腕掌側面の外側遠位部
    橈骨動脈は、前腕掌側面の外側遠位部で触知されます。橈骨茎状突起の前面に位置し、最も触知されやすい部位です。この選択肢は正しいです。
  3. 大腿動脈 Scarpa三角内
    大腿動脈は、Scarpa三角内で触知されます。これは鼠径靭帯の下を通過する部位で、大腿動脈の評価に適した場所です。この選択肢は正しいです。
  4. 足背動脈 足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間
    足背動脈は足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知されます。足部の血流評価において重要な部位です。この選択肢は正しいです。
  5. 後脛骨動脈 外果後方
    後脛骨動脈は内果後方で触知される動脈です。外果後方では触知できないため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

動脈の触知部位は血流評価や診断のために重要な知識です。特に四肢の動脈(橈骨動脈、足背動脈、後脛骨動脈)は、血行障害や動脈疾患のスクリーニングでよく用いられるため、正確な触知部位を覚えておきましょう。