冠状動脈で正しいのはどれか。
- 大動脈弁の心室側から出る。
- 左右の冠状動脈は吻合しない。
- 左冠状動脈は房室結節に血液を送る。
- 右冠状動脈は前下降枝と回旋枝に分かれる。
- 左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。
解答解説
正解は5(左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る)です。
左冠状動脈は主に前室間枝(前下降枝)を通じて、心室中隔の前方2/3に血液を供給します。また、心臓の左室の大部分や左房にも血流を送る重要な動脈です。
各選択肢の解説
- 大動脈弁の心室側から出る。
冠状動脈は大動脈弁の**上方(大動脈の基部:Valsalva洞)**から分岐します。心室側からではありません。この選択肢は誤りです。 - 左右の冠状動脈は吻合しない。
左右の冠状動脈は、末梢で吻合する部分もあります(特に右冠状動脈と左冠状動脈の枝が後方で接触する場合があります)。完全に独立しているわけではないため、この選択肢は誤りです。 - 左冠状動脈は房室結節に血液を送る。
房室結節には主に右冠状動脈が血液を送ります(ただし、一部の人では左冠状動脈から供給される場合もあります)。一般的には右冠状動脈が主な供給源です。この選択肢は誤りです。 - 右冠状動脈は前下降枝と回旋枝に分かれる。
前下降枝(前室間枝)と回旋枝は、左冠状動脈の分枝です。右冠状動脈には該当しません。この選択肢は誤りです。 - 左冠状動脈は心室中隔前方2/3に血液を送る。
左冠状動脈から分岐する前下降枝が心室中隔の前方2/3に血液を供給します。これは正しい記述です。
ワンポイントアドバイス
冠状動脈の解剖を理解するには、左冠状動脈と右冠状動脈の主な分枝と供給領域を覚えることが重要です。特に、左冠状動脈の前下降枝(心室中隔前方2/3、左室前壁)と回旋枝(左房と左室側壁)の役割は、臨床でよく出題されるポイントです。