除細動が必要となる可能性が高い不整脈はどれか。
- Ⅰ度房室ブロック
- 心室頻拍
- 単発の上室期外収縮
- 慢性心房細動
- 連続しない心室期外収縮
解答解説
正解は2(心室頻拍)です。
心室頻拍は、心室内で発生する異常な興奮が原因で心拍が速くなる不整脈です。この状態が続くと、心室細動に移行し心停止を引き起こす危険性があります。**除細動(電気的除細動)**は、生命を脅かす心室性不整脈(心室細動や無脈性心室頻拍)に対して用いられます。
各選択肢の解説
- Ⅰ度房室ブロック
Ⅰ度房室ブロックは、心房と心室の間で電気信号の伝達が遅延する状態ですが、通常は症状を引き起こさず、危険性も低い不整脈です。除細動が必要となる可能性はほとんどありません。 - 心室頻拍
心室頻拍は、心室が速いリズムで収縮する危険な不整脈です。無脈性心室頻拍の場合は心拍出量が低下し、心室細動に移行して心停止を引き起こす可能性が高いため、直ちに除細動が必要です。有脈性の場合でも持続すれば命に関わるため、迅速な対応が求められます。 - 単発の上室期外収縮
上室期外収縮は、心房や房室結節で発生する異常な心拍ですが、単発であれば多くの場合は無害です。除細動が必要となる不整脈ではありません。 - 慢性心房細動
慢性心房細動は心房内の異常な電気的興奮による不整脈ですが、緊急性があるわけではありません。通常は薬物治療で心拍数をコントロールします。除細動は急性心房細動の場合に検討されますが、慢性の場合は適応外です。 - 連続しない心室期外収縮
心室期外収縮は、心室で異常な電気信号が発生して心拍が早まる状態ですが、連続しない場合は通常無害です。除細動が必要になる可能性はほぼありません。
ワンポイントアドバイス
除細動が適応となるのは、心室細動や無脈性心室頻拍のような生命を脅かす不整脈です。正しい判断をするためには、不整脈の種類と危険性について正確に理解する必要があります。心室頻拍では有脈性か無脈性かを確認し、早急に対応することが重要です。