第55回

第55回理学療法士国家試験 午前問題99

見捨てられ不安を特徴とするのはどれか。

  1. 依存性パーソナリティ障害
  2. 演技性パーソナリティ障害
  3. 回避性パーソナリティ障害
  4. 境界性パーソナリティ障害
  5. 自己愛性パーソナリティ障害

解答解説

正解は 4. 境界性パーソナリティ障害 です。

境界性パーソナリティ障害(BPD)の特徴の1つとして、「見捨てられ不安」があります。これは、他者から拒絶されたり、捨てられたりすることへの極度の不安を指し、その結果、不安定な対人関係や衝動的な行動が引き起こされることがあります。この不安は患者の感情や行動に大きな影響を及ぼします。

各選択肢の解説

  1. 依存性パーソナリティ障害
    誤りです。依存性パーソナリティ障害では、他者への過度の依存が特徴です。 重要な決定を他人に委ねる傾向がありますが、境界性パーソナリティ障害のような激しい見捨てられ不安は一般的ではありません。
  2. 演技性パーソナリティ障害
    誤りです。演技性パーソナリティ障害の特徴は、過剰な感情表現や注目を引こうとする行動です。 見捨てられ不安は主な特徴ではありません。
  3. 回避性パーソナリティ障害
    誤りです。回避性パーソナリティ障害では、他者からの否定や批判を恐れるために対人関係を避ける傾向があります。 しかし、見捨てられ不安とは異なります。
  4. 境界性パーソナリティ障害
    正解です。境界性パーソナリティ障害では、見捨てられることへの恐怖が強く、これが原因で不安定な対人関係が形成されます。 また、自傷行為や衝動的な行動も見られることがあります。
  5. 自己愛性パーソナリティ障害
    誤りです。自己愛性パーソナリティ障害の特徴は、自己中心性や他者からの賞賛を求める傾向です。 見捨てられ不安は主な症状ではありません。

ワンポイントアドバイス

境界性パーソナリティ障害の患者は、見捨てられ不安が原因で過度に依存したり、逆に怒りや拒絶を示す場合があります。対人関係の不安定さが特徴的であるため、他のパーソナリティ障害との違いを明確に理解することが重要です。特に、依存性パーソナリティ障害や回避性パーソナリティ障害と混同しないよう注意しましょう。