早期の前頭側頭型認知症でみられないのはどれか。
- 幻視
- 常同行動
- 病識低下
- 自発性低下
- 社会的対人行動の障害
解答解説
正解は 1. 幻視 です。
前頭側頭型認知症(FTD)は、主に前頭葉と側頭葉が障害されることで発症します。初期には人格変化や行動異常が特徴的で、幻視は一般的にみられません。一方、幻視はレビー小体型認知症で典型的にみられる症状です。
各選択肢の解説
- 幻視
正解です。前頭側頭型認知症では幻視は通常みられません。 幻視はレビー小体型認知症で頻繁にみられる特徴的な症状です。 - 常同行動
誤りです。前頭側頭型認知症の初期症状の1つとして、特定の行動を繰り返す常同行動がよくみられます。 例として、特定のルートを歩き続けるなどがあります。 - 病識低下
誤りです。前頭側頭型認知症では、病気であるという認識(病識)が早期から低下します。 自分の症状や行動の問題を認識できないのが特徴です。 - 自発性低下
誤りです。前頭葉の障害によって、自発性の低下(アパシー)が早期からみられます。 無気力になり、日常活動への意欲が低下します。 - 社会的対人行動の障害
誤りです。社会的規範を守れなくなるなど、社会的対人行動の障害は前頭側頭型認知症の典型的な初期症状です。 例として、公共の場での不適切な言動や行動が挙げられます。
ワンポイントアドバイス
前頭側頭型認知症の特徴は「人格変化」「行動異常」「病識低下」です。レビー小体型認知症やアルツハイマー型認知症との鑑別が重要であり、幻視がみられる場合はレビー小体型認知症を疑います。試験ではそれぞれの認知症の特徴を区別できるよう整理して覚えましょう。