第55回理学療法士国家試験　午後問題48

歩行(80m/分)に相当する運動強度に最も近いのはどれか。

1. 1.5 METs
2. 3.5 METs
3. 5.0 METs
4. 6.0 METs
5. 7.0 METs

解答解説

正解は2（3.5 METs）です。
METs（メッツ）は安静時代謝量（基礎代謝）を基準にした運動強度の指標です。歩行速度が**80m/分（4.8km/時）**程度の場合、3.5 METsとされます。この強度は中程度の運動に分類され、日常生活の移動活動においても一般的な運動強度です。

各選択肢の解説

1. 1.5 METs
   1.5 METsは非常に軽い運動に相当し、安静時や軽度の動作（座位や立位）に近い値です。歩行速度80m/分には低すぎます。この選択肢は誤りです。
2. 3.5 METs
   3.5 METsは一般的な歩行速度（80m/分程度）に該当します。この選択肢は正しいです。
3. 5.0 METs
   5.0 METsは速歩（約100m/分）や軽いジョギングに相当します。80m/分の通常歩行には少し高すぎます。この選択肢は誤りです。
4. 6.0 METs
   6.0 METsはさらに速い運動（早歩きや軽いランニング）に相当します。通常の歩行速度80m/分には不適切です。この選択肢は誤りです。
5. 7.0 METs
   7.0 METsは中等度から激しい運動（ジョギングやランニング）に該当します。通常歩行の範囲を大きく超えています。この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

METsの値は日常生活や運動療法の指導で重要な指標です。

• 軽い運動（1.5～3 METs）：ゆっくりした歩行（50m/分）など
• 中程度の運動（3～6 METs）：通常の歩行（80～100m/分）や速歩
• 激しい運動（6 METs以上）：ランニングやスポーツ活動

患者の体力や健康状態に応じた運動強度を設定する際に活用しましょう。