慢性心不全患者に対する運動療法の効果で正しいのはどれか。2つ選べ。
- BNPの増加
- QOLの改善
- 運動耐容能の向上
- 左室駆出率の低下
- 交感神経活性の亢進
解答解説
正解は 2. QOLの改善 と 3. 運動耐容能の向上 です。
慢性心不全患者に対する適切な運動療法は、心肺機能を改善し、日常生活の質(QOL)の向上や運動耐容能の向上をもたらします。運動により交感神経の過剰な活性が抑制され、心臓への負担が軽減されます。また、筋肉の酸素利用効率が高まり、疲労感や息切れが軽減する効果もあります。
各選択肢の解説
- BNPの増加
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心不全の重症度を反映する指標であり、運動療法により心臓への負担が軽減すると、BNP値は減少する傾向があります。 この選択肢は誤りです。 - QOLの改善
正解です。運動療法は、心不全患者の呼吸困難や疲労感を軽減し、活動範囲を拡大することでQOLの改善に寄与します。 - 運動耐容能の向上
正解です。運動療法は、筋肉の酸素利用効率を高め、心肺機能を改善することで運動耐容能を向上させます。 これにより、より長時間の活動や負荷が可能になります。 - 左室駆出率の低下
運動療法により、心機能が安定し、左室駆出率(EF)は改善または維持されることが多いです。 この選択肢は誤りです。 - 交感神経活性の亢進
運動療法は交感神経活性を抑制し、副交感神経の活性を高める方向に働きます。 これにより心臓への過剰な負担が軽減されます。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
慢性心不全患者への運動療法は、心肺機能を改善し、患者の運動耐容能やQOLを向上させる有効な手段です。ただし、運動の強度や頻度は慎重に調整し、患者の状態に応じたプログラムを作成する必要があります。また、BNPや交感神経活性が低下する点も覚えておきましょう。