ミオパチーの原因となるのはどれか。
- 一酸化炭素中毒
- 甲状腺中毒
- 水銀中毒
- 鉛中毒
- ヒ素中毒
解答解説
正解は2(甲状腺中毒)です。
甲状腺中毒症(甲状腺機能亢進症)は、甲状腺ホルモンの過剰分泌による代謝亢進を特徴とし、筋力低下や筋萎縮を引き起こします。この状態は甲状腺中毒性ミオパチーと呼ばれ、主に近位筋の筋力低下がみられます。ミオパチー(筋疾患)の一因となる内分泌疾患の代表例です。
各選択肢の解説
- 一酸化炭素中毒
一酸化炭素中毒は、ヘモグロビンと一酸化炭素が結合し、酸素運搬が阻害されることで組織の低酸素症を引き起こしますが、直接的にミオパチーを引き起こす原因ではありません。 - 甲状腺中毒
甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)による甲状腺中毒では、筋代謝が異常に活性化され、筋力低下や萎縮がみられることがあります。甲状腺中毒性ミオパチーはミオパチーの典型的な原因の一つです。 - 水銀中毒
水銀中毒は中枢神経系や末梢神経系への影響が主であり、筋疾患としてのミオパチーを直接引き起こすことは少ないです。 - 鉛中毒
鉛中毒は末梢神経障害(鉛麻痺)や貧血を引き起こしますが、筋自体の疾患であるミオパチーには直接関与しません。 - ヒ素中毒
ヒ素中毒は急性中毒の場合には消化器症状や末梢神経障害を引き起こしますが、ミオパチーを直接的に引き起こすことはありません。
ワンポイントアドバイス
ミオパチーの原因は多岐にわたり、内分泌疾患(例:甲状腺機能亢進症、クッシング症候群)や代謝異常(例:糖尿病、低カリウム血症)、炎症性疾患(例:多発性筋炎)などがあります。原因ごとの特徴を理解し、適切に鑑別診断を行うことが重要です。