第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題27

Timed Up and Go Test (TUG)で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 開始肢位は立位である。
  2. 3 m先に目印を設置する。
  3. 歩行補助具の使用を禁止する。
  4. バランス機能の評価方法である。
  5. 動作開始から背もたれ座位までの時間を測定する。

解答解説

正解は4と5です。
TUGは、バランス機能移動能力を評価するテストです。椅子から立ち上がり、3 m先の目印まで歩いて戻り、再び椅子に座るまでの時間を測定します。これにより、日常生活での動作能力や転倒リスクを評価します。

各選択肢の解説

  1. 開始肢位は立位である。
    誤りです。TUGでは、開始肢位は背もたれのある椅子に座った状態です。この状態から立ち上がり、目標地点まで歩く動作を開始します。
  2. 3 m先に目印を設置する。
    誤りです。TUGでは、目印を3 m先に設置するのが一般的ですが、問題文では「正しいのはどれか」と聞かれているため、厳密に正しい選択肢ではありません。目印は参考となる要素であり、必須ではありません。
  3. 歩行補助具の使用を禁止する。
    誤りです。TUGでは、歩行補助具の使用は許可されます。補助具を使用した場合はその旨を記録し、評価に反映させます。禁止するという記載は誤りです。
  4. バランス機能の評価方法である。
    正しいです。TUGはバランス機能や移動能力の評価に用いられます。立ち上がり、歩行、方向転換、座り直しといった一連の動作を観察することで、バランス機能や転倒リスクを評価します。
  5. 動作開始から背もたれ座位までの時間を測定する。
    正しいです。TUGでは、椅子から立ち上がった瞬間から、再び背もたれに腰をかけるまでの時間を測定します。この時間を記録することで、運動能力やバランス機能を評価します。

ワンポイントアドバイス

TUGは、高齢者や転倒リスクがある患者の評価で広く用いられます。測定中の安全性を確保し、歩行補助具の使用や測定環境に注意を払うことが重要です。また、テストの結果だけでなく、立ち上がりや方向転換の際の動作の安定性にも注目することで、より具体的なリハビリ計画を立案できます。