第55回

第55回理学療法士国家試験 午後問題31

Bennett骨折を生じるのはどれか。

  1. 月状骨
  2. 尺骨
  3. 舟状骨
  4. 第中手骨
  5. 橈骨

解答解説

正解は4(第中手骨)です。
Bennett骨折は、母指基部の第1中手骨の骨折で、関節内骨折に分類されます。この骨折は、母指の付け根である第1中手骨と大菱形骨の関節部分に発生し、しばしば橈側に向かう牽引力によって骨片が移動します。主に転倒やスポーツ外傷などの強い外力が原因で起こり、治療には固定や手術が必要です。

各選択肢の解説

  1. 月状骨
    月状骨は手根骨の一つで、月状骨脱臼が一般的な外傷ですが、Bennett骨折とは関係がありません。
  2. 尺骨
    尺骨は前腕の骨の一つで、通常はColles骨折や尺骨茎状突起骨折が関連する部位です。Bennett骨折は第1中手骨の骨折であり、尺骨は該当しません。
  3. 舟状骨
    舟状骨は手根骨の一つで、特に手首の骨折で頻繁に損傷を受けますが、Bennett骨折には関与しません。
  4. 第中手骨
    Bennett骨折は第1中手骨(母指基部)の骨折であり、この選択肢が正しいです。第1中手骨の付け根部分で大菱形骨との関節内骨折が特徴です。
  5. 橈骨
    橈骨は前腕の骨で、Colles骨折やSmith骨折などが関連しますが、Bennett骨折とは関係がありません。

ワンポイントアドバイス

Bennett骨折は、母指の付け根で発生する特有の骨折です。治療には骨片を整復し、適切な位置に固定することが重要です。また、母指の機能を維持するため、早期のリハビリテーションが推奨されます。この骨折は関節内骨折であるため、放置すると関節の機能障害につながる可能性があります。